GWにアメリカで買ったナショラル・ジオグラフィック
National Geographic 誌5月号に懐かしい場所が載っていたので、ローカルネタですがちょっと紹介します。
ウエストバージニア州クラークスバーグ Clarksburg, WV というところにあるFBIクライムセンター Crime Center の特集が5ページほどに渡って掲載されています。
大学の友達にはおなじみの場所でしょうが、I-79というフリーウエイを北からClarksburgに向かって牧場を見渡しながら走り、同町に入る手前10マイルほどで、右側に見える同センターの写真が掲載されています。
僕のいた町から車で20分くらいの同町には、DMV(Division of Motor Vehicle= まあ免許センターかな)や大き目のショッピングモール、24時間営業のスーパーウォルマート Super Wal-Mart(スーパーが付くウォルマートは24時間営業で食料品も売ってる。タダのウォルマートには食品売り場はない)なんかがあって、小さな町に住んでいた僕らは月に数回くらいの頻度でこの町に出かけていました。
で、
FBIクライムセンターは文字通りFBIの施設です。大学の学生にもここの職員がチラホラいて (働きながら大学に通うのはわりと普通なので)、職場から直接行き来する学生は誇らしげにFBIのIDタグを首からぶらさげていました。(ちなみに僕の町にはNASAの施設があって、これまたIDをぶらさげた学生がチラホラいました。さらにちなみに、たまに軍服のまま帰還兵スタイルで授業にやってくる猛者な軍人なんかもいました)
ヘンピな地方都市のそのまたはずれに突然現れる、職員約3000人の大施設。"イラクよりものものしい (同誌記者)" のもそのはずで、この牧場とカントリーロードに不似合いな施設には、FBIの犯罪情報部門 "シージャス CJIS" (Criminal Justice Information Services Division) の本部が置かれているんです。
で、
大学のころからウワサには聞いていたのですが、ここにはFBIがいままでに集めてきたあらゆる人間の指紋が保管されているのです。FBIなどの政府職員、軍人、外国人、そして犯罪者、もちろん一般市民のも。1924年に81万人分だった指紋は、現在ではその数2億5200万人分。その中に僕の指紋もあるんだなぁ。何回かとられてるけど重複してないんだろうか?してそう・・・。
NG誌曰く、「アメリカの犯罪データを扱う最も重要な施設で、世界で一番指紋が集まる場所」。
映画などで有名な、警察が使う指紋データベースの、文字通り中核をなす施設なわけです。
そしてこれら指紋など膨大な資料をもとに施設内で調査、研究、捜査が行われ、オクラホマシティの連邦ビル爆破事件や、首都ワシントンの連続狙撃事件など、数々の事件が解決に至ったそうです。
ただ最近では指紋の採取から保存まで、完全にデータ化されたシステムに移行していて、ここに保管されている膨大な"紙とインク"の指紋も、徐々に廃棄されていくそうです。
で、
クライムセンターのすぐ近く、I-79を挟んだ東側に、少し変わった牧場があります。車で通り過ぎる時ふと目をやると、牛は牛でもバッファローの群れ。でもバッファローって絶滅危惧種で保護動物だよな??
人づてに聞いた話だと、その牛たちはバッファローbuffaloと普通の肉牛の一代雑種”ビッファロー beefalo”。
日本でも、天然記念物の比内鶏をなんとか食べたいっていう人間の飽くなき食欲が一代雑種という答えを導き出し、そのおかげで飲み屋なんかで比内鶏(雑種) が気軽に食べられるようになったのと同じで、アメリカにも「バッファローを食いてえ」ってバカヤローが当然いるわけで、その答えがビッファローなんですね。見た目はまんまバッファローで、近場のコンビニではいつも"ビッファロージャーキー"が売ってます。
でも逆にジャーキー以外にビッファローの肉を見たことがなく、"ビッファローリブ"や"ビッファローヒレ"なんて生肉が流通してそうもないことを考えると、たぶん比内鶏と違ってそううまいものじゃないんでしょうね。クロコダイルジャーキーやダチョウジャーキーなんかと一緒に売られて、すっかりゲテモノジャーキーなジャンルを確立してしまっているし。
で、
なにが言いたいかというと、何も言いたいわけじゃないんです。
24時間厳戒な警備体制が布かれる犯罪対策組織の最高峰と、ビッファロー牧場。
ビッファローが昼寝してるのどかな牧場と、道を挟んで匍匐訓練してるSWATたち。
そんな素敵な場所があったなーっていうだけのハナシです。
しいて言えば、その境界線をとっぱらえたらもっと素敵だなぁと。
FBIをビッファローが闊歩して、SWATがサイロを警備するような。
さんざ長くなったけど、結局そんなハナシです。