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金曜日, 5月 13, 2005

13(金)

 自分で望んでいるわけではないのだけれど、いつも僕のキャラに合わせるかのように出来事は訪れる。すなわち空回りなヤラレ役にふさわしい出来事が。

 相変わらず薬指が腫れてるから病院に行こうと、朝から自転車を走らせていたんだ。
 それが13(金)のはじまり。
のんびり走っていたら後ろからスピードを出した自転車が一台、僕と通行人の間を抜こうとしてきた。通れるか通れないかのスキマをけっこうな速度でね。
 そしたらその自転車が僕の自転車に激しく接触してきて、僕は転んでしまったんだ。このとき右手の指をかばったものだから、僕は自転車にからまるように、けっこうハデで間抜けな転び方をしてしまった。
 右ヒザと左ひじを強く打った。スーツの右ヒザ部分が破けてしまっている。
 後ろから突っ込んできた男の自転車は、持ち直してそのまま走り去ろうとしている。振り向きもしないから顔も年もわからない。
 無様にフレームにからまって僕が怒鳴る。「おい待て」って。
 普通止まるだろ?最低でも一瞥をくれておざなりな「ごめんなさい」くらいは言うさ。でもその男はそうじゃなかった。少しも振り向こうとせずに、奥歯のスイッチをカチリと噛んだんだ。加速装置!って。
こっちはママチャリのフレームにからまって追うどころじゃない。それを承知で逃げたんだぜ?ひどい話さ。

 でも13(金)の本当にひどい話はこれじゃない。

 そのあと、少しびっこをひきながら会社近くの病院まで歩いて行ったんだよ。怪我が増えるのは予想外だったけどね。
 その病院ではなにもかも待たされた。受付も診察もレントゲンも会計も。
 とにかく、ウンザリしながらレントゲンをもらって、辟易しながら診察室に戻った。
 医者は僕のレントゲンを見るなり、欠けてますね、って言うんだよ。手術しなきゃって。見ると一番指先の骨がバックリ欠けてて、破片はあるべき場所からけっこう離れて見えるんだ。我ながらこんなのよくほったらかしてたなって思ったよ。
 医者は呆れ顔で、痛くて眠れなかったりしませんでしたか?って。確かに痛かったけど、寝れないほどじゃなかったな。というか、指先の痛みがどうのなんて時じゃなかったんだ。

 これをやった日は、メシ抜きでBBQパーティーに行って、朝飯代わりにテキーラのショットをやったんだ。3杯くらい。その後昼飯代わりにビールを飲んで、そのまま飲み屋にいってビールで夜飯にしたんだ。
 だからこの日は指の痛みなんてあまり意に介さなかったし、次の日は指よりも頭のほうが痛かったんだ。二日後にはアメリカに行く日だったからね。医者に行ってるヒマなんてなかったし、湿布と固定されるだけだろうと思ってたしね。

 結局指折れたまま旅行して、帰ってきてもそのまま仕事してたみたいだ。
 ずいぶんほったらかしちゃったから、手術してもこれ元通りにはなりませんよって。淡々と医者は言うんだよ。まあ、しょうがないけどさ。
 それでもタイミング的に手術なんて無理だったわけだし、僕にとって今回のアメリカ行きはどうしても必要なことだったんだよ。
 それに幸い右手の薬指だからね。小指のほうがまだ使いそうだし、右手ならギターを弾くにも影響ない。十指で一番使わなそうだ。
 だからほっといたことを後悔はしてないんだ。
 指に包帯巻いて、びっこひきながら破れたスーツで会社行ったら、傷痍軍人って呼ばれたよ。
 その後別件で内科の病院にも行ってね。これは検査結果聞きに行っただけなんだけど、病院ハシゴしたのは初めてだったよ。手術宣告されたのも初めてだったし。

 踏んだりけったりだけど、ひとつラッキーだったこともあるんだ。
 ズボンを破ったスーツ、青山のツーパンツスーツなんだ。もう1本パンツあるからまだ着れる。
 それが13(金)のハッピーエンド。

 明日はまた病院だ。